「検索意図がわからない」
「上位記事の分析って、具体的に何をすればいいの?」
「何を伝えたかったのか、執筆の途中でわからなくなる」
この記事では、SEOライティングで最初にやるべきこと、課題設定についてお伝えします。
課題設定とは、検索者の
- 状況
- 問い
を推測する作業です。
具体的には「どういう状況で」「何を知りたいのか」を設定します。
この「状況」と「問い」がズレていると、この後に何をどれだけ頑張ろうと、検索上位を取ることはできません。
例1:検索ワード「仕事 つまらない」の場合
[gdoc key=”https://docs.google.com/spreadsheets/d/1cYRHoE5NtQFEiGueALy6WxRfRzVNtcnmsS6qONzWCbw/edit#gid=0″ class=”no-datatables”]
例2:「Webライター パソコン」の場合
[gdoc key=”https://docs.google.com/spreadsheets/d/1cYRHoE5NtQFEiGueALy6WxRfRzVNtcnmsS6qONzWCbw/edit#gid=156954012″ class=”no-datatables”]
課題を正確に把握できるかどうかで、8割以上、勝負はついています。
「リサーチは丁寧にやっているし、わかりやすく書いているつもりなのに上位が取れない」
場合、課題がずれていることが原因かも知れません。
この記事では、じゃぱそんから
- なぜ課題設定が重要なのか
- 課題設定に使える3つのヒント
- 実践例
- 正確に行う3つのコツ
をお伝えします。
課題設定が正しくできるようになれば、検索者が求めている情報がわかり、上位を狙って獲れるようになります。
何を書くかに迷わなくなるので、執筆スピードも上がるはず。
ぜひ最後までご覧ください。
課題設定の重要性:検索キーワードだけでは見えてこない
特定の検索キーワードに対して上位をとるには「検索者がどんな状況で、何に悩んでいるのか」を正確に見極めることが重要です。
「何に悩んでいるかなんて、検索ワードだけでなんとなくわかるよ」と考えた方へ。
検索ワードだけでは、検索者の課題は見えてきません。
体感してもらうために、以下のワークをやってみてください。
知り合いに「Webライターってどうやって始めるの?」と聞かれました。 何と答えますか? |
「Webライターの始め方は全部で3ステップだよ。
1.本や講座で勉強する 2.ブログ記事で実践する 3.案件に申し込む
順番に説明するね!」
などと、いきなり意気揚々と説明を始めはしないはずです。
「なんでWebライター?」
「いくら稼ぎたいの?」
「時間はどれくらいある?」
「Webライターについてどこまで知ってる?」
など‥
質問して、相手の状況や聞きたいことを正確に把握してから、回答するでしょう。
なぜか?
「Webライターってどうやって始めるの?」の質問だけでは情報が足りず、相手の状況・悩みがわからないからです。
SEO記事でも同じです。
「Webライター 始め方」などの検索キーワードだけでは、状況・悩みを正確に把握できません。
だから、相手に質問する代わりに、SEOだからこそ得られるヒントから、状況と悩みを推測するのです。
課題設定における3つのヒント
SEO記事では、会話のように「なんで?」「今の状況は?」等の質問はできません。
代わりに、以下の3つをヒントに、検索者の状況と悩みを推測します。
- 上位記事
- サジェストキーワード
- Yahoo!知恵袋
順に解説します。
1.上位記事
まずは「上位記事は誰のどんな悩みに答えようとしているのか?」を分析します。
上位の記事イコール、検索者の満足度が高い記事だからです。
共通点を見れば、検索者が求めていることのヒントになります。
具体的には、以下の2ステップです。
- H2見出しレベルで共通して書かれている内容の洗い出し
- 1の内容を抽象化し「悩み」化
H2見出しとは、記事内のもっとも大きな見出しのことです。
共通点の洗い出し分析には、ラッコツールが便利です。
後ほど実践例で紹介します。
分析する際は、以下の2つを見落とさないようにしましょう。
- 個人ブログ
- SEO狙いではない記事(Amazon等の商品ページ、アンケート結果、Yahoo!知恵袋の回答など)
個人ブログは一般的に、法人メディアよりも上位が狙いにくい傾向にあります。
他が法人メディアだらけの中で、上位に食い込んでいる個人ブログは、検索者の悩みに答えている可能性が高いです。
SEO狙いではない記事も、見落としてはいけません。
SEO記事以上に、検索意図を見抜く重大なヒントになるからです。
例)
SEO以外のページ | 読み取れる検索意図 |
Amazon等の商品ページ | 特定の商品を購入したい |
アンケート結果 | 他の人がどう思っているのか知りたい |
Yahoo!知恵袋の回答 | 質問と回答が、検索者がまさに知りたいことである |
「SEO記事以外は気にしなくてOK」と伝えている記事や講座も見かけましたが、正直あり得ません。
(これを言っている方は、おそらくSEOがもっと簡単だった2019年頃から情報をアップデートしていないか、単に実力不足です。)
SEOを意識していないページなのに上位がとれているということは、それだけ検索意図を満たしている内容である可能性が高いからです。
2.サジェストキーワード
「検索者が他にどんなキーワードで検索しているか」も、課題設定のヒントになります。
サジェストキーワードとは「この単語で検索している人は、他にこんな検索もしていますよ」と、Google自ら教えてくれるワードのことです。
具体的には「検索キーワード+○○」の○○部分が、ヒントになります。
例)Webライター なるには のサジェストキーワード
Webライター なるには 未経験
Webライター なるには 会社員
上記の場合「Webライター なるには」で検索する人には「未経験」「会社員」のキーワードを加える人が多いということです。
ここから『「Webライター なるには」で検索する人は、会社員で未経験の人が多い』と推測できます。
注意点として、サジェストキーワードだけでは状況や悩みが見えてこないケースもあります。
その場合は、Yahoo!知恵袋で検索者像を具体的にしてから、もう一度サジェストキーワードを分析するとよいでしょう。
3.Yahoo!知恵袋
最後に、Yahoo!知恵袋です。
上位記事やサジェストキーワードでは「全体としての傾向」がわかるのに対し、Yahoo!知恵袋では「実在する人物の個人的な悩み」がわかります。
つまり「どんな人がどういう悩みを抱えているのか」を具体的に理解できるのです。
そもそも、ググれば解決しそうなのに、なぜYahoo!知恵袋で質問するのでしょうか?
それは、以下2つのいずれかです。
- ググっても解決しなかった
- 個人的な悩みを相談したい
Yahoo!知恵袋を見れば「今の上位記事では解決できていない悩み」もしくは「その検索ワードに関連する超個人的な悩み」がわかるということです。
検索ワードと関連が深い質問の中で、以下2つのQ&Aを重点的にチェックしましょう。
- 相対的に閲覧数が多い質問
- ベストアンサーが質問者によって選ばれている質問
まず、閲覧数が多い質問は、同じ悩みを抱えている人が多い可能性が高いです。
そして、ベストアンサーが質問者によって選ばれている質問は、特に重要。
悩みだけでなく、質問者が求めていた答えもヒントとして得られるからです。
例えば、以下のようなQ&Aがあったとします。
Q:仕事がつまらないです。どうしたらいいでしょうか? (ベストアンサー) A:みんなつまらないよ。仕事なんてそんなもんでしょ。(ベストアンサーに選ばれなかったその他の回答) A:転職を検討してはいかがでしょうか。つまらないまま続けると、体調を崩す可能性があります。実際私も‥ A:その気持ち、わかります。つらいですよね。うまく気分転換しましょう。おすすめの気分転換の方法は‥ |
ここから読み取れるのは「この質問者は具体的な解決策なんて求めておらず、ただ諦めて割り切りたかっただけなのでは」ということです。
解決したかったのであれば、解決策を提示している答えがベストアンサーになるはず。
他を差し置いて「そんなもんでしょ」の回答がベストアンサーになっているなら、質問者は「単に仕事がつまらないことに同意して欲しかっただけ」と推測できるのです。
このように質問だけでなく、ベストアンサーとベストアンサーに選ばれなかった回答からも、たくさんのヒントが得られます。
なお、ベストアンサーは「このベストアンサーは投票で選ばれました」とついていないことを確認しましょう。
「投票で選ばれました」とついているものは、質問者が選んだものではありません。
端的に言えば、多くの部外者が回答に賛同した結果、ベストアンサーとなっただけ。
肝心の質問者自身は回答に満足していない可能性があるので、投票で選ばれているベストアンサーは、参考程度に留めましょう。
Yahoo!知恵袋において忘れてはいけない注意点は、あくまで個人の悩みであるということ。
大量のデータが元になっている上位記事やサジェストキーワードと違って、Yahoo!知恵袋はいち個人の書いた質問でしかありません。
得られたヒントが、極めて少数の人にしか当てはまらない可能性もあります。
全員が同じように悩んでいると決めつけるのはNG。
- いくつかのQ&Aから共通点を抽出する
- 知恵袋の質問+(サジェストキーワードもしくは上位記事)の共通点に注目する
など、1つの質問だけでなく複数からヒントを得て、共通点だけを参考にしましょう。
極端な分析を防げます。
3つのヒントから、状況と問いをまとめる
上位記事、サジェストキーワード、知恵袋を分析したら、検索者の状況と問いをまとめます。
以下「仕事 つまらない」のキーワードで私は課題を以下のように設定しました
キーワード:仕事 つまらない
(根拠) | ||
状況1 | サラリーマン、妻子持ち30~40代 | サジェストキーワードに「30代」「40代」 知恵袋上、3名が妻子持ちで30~40代 |
状況2 | 仕事がつまらない | キーワードそのまま |
状況3 | 「辞めたい」とまでは思っていない でも仕事つまらない | 辞めたいなら「辞めたい」等、別のキーワードでググるはず |
問い1 | つまらないのって当たり前なの? | アンケート結果が5位に来ている 知恵袋のベストアンサーに「そんなもんだよ」 |
問い2 | なぜつまらないの? | 上位記事の共通点 |
問い3 | どうすればいい? | 上位記事の共通点 |
青字が、なぜそう考えたのかの根拠です。
すべての状況・問いを、上位記事、サジェストキーワード、知恵袋から得られたヒントを元に設定しています。
上記で設定した状況・問いが「仕事 つまらない」で検索した人の持つ課題です。
この課題を解決するために記事を書いていくと、自然と検索上位になります。
課題設定の実践方法
ここでは、具体的にどんなツールを使って分析していくのかをお伝えします。
(活用するツール)
分析対象 | ツール | |
1 | 上位記事 | ラッコツールズ |
2 | サジェストキーワード | キーワードプランナー |
3 | Yahoo!知恵袋 | -(スプシに貼るだけ) |
ツールをうまく活用することで、効率的に課題設定が行えます。
それぞれ簡単に解説します。
1.ラッコツールズで上位記事の見出しだけをチェック
上位記事の分析にはラッコツールズの「見出し(hタグ)抽出」を活用します。
キーワードを指定すると、上位記事のH2~H4見出しだけをページ上で確認できます。
おすすめはCSVダウンロード(簡易)をして、スプレッドシートに貼り付けた上で分析すること。
一覧で見やすくなる上、共通部分を太字にするなど装飾を入れておけば、あとから見返したときにも共通箇所がわかりやすくなります。
課題設定では「どんな悩みに答えようとしているのか」を分析するだけなので、参考にするのはH2見出しだけで十分です。
このタイミングではH3(中見出し)、H4(小見出し)まで細かくは見ないこと。
内容に引っ張られて、上位と似たような記事しか書けなくなってしまいます。
H2見出しから
- 共通して書かれている内容は何か
- 共通部分は、検索者のどんな問いに答えようとしているのか
を分析しましょう。
2.サジェストキーワードはキーワードプランナーを活用
サジェストキーワードの分析には、Googleのキーワードプランナーを使用します。
他社が作っている分析ツールもありますが、本家本元であるGoogleのツールがもっとも信頼でき、オススメです。
https://ads.google.com/aw/keywordplanner/home
利用にはGoogle広告へのアカウント登録が必要となります。
無料で使えるので、登録しておきましょう。
Gmailアカウントがあれば3分もかかりません。
登録後、改めて以下のURLを開きます。
https://ads.google.com/aw/keywordplanner/home
「新しいキーワードを見つける」
をクリックし、検索キーワードを入力します。
「仕事 つまらない」のように複数語を登録する場合、間にスペースを入れましょう。
検索ワードが1つの丸の中に入っていれば、正しく入力できています。
丸が複数になってしまった場合、途中でエンターを入力してしまっています。
丸が複数の状態では、それぞれが別のキーワード扱いになってしまうため、一度削除して入力し直してください。
入力できたら「結果を表示」を押すと、サジェストキーワードが表示されます。
「右上のキーワード候補をダウンロード」から、CSVがダウンロードできます。
サジェストキーワードについても、1の上位記事分析で作成したスプシの別シートに貼り付けておくと、後から見返しやすくて便利です。
検索ボリュームが大きいキーワード、知恵袋や上位記事と共通部分が見つかったキーワードを太字にしておきましょう。
3.Yahoo!知恵袋はスプシに貼り付けるだけ
最後にYahoo!知恵袋については、特にツールは使いません。
ヒントになりそうなQ&Aを、手動でスプレッドシートに貼り付けましょう。
私は以下の項目をスプシに用意しています。
URL | 閲覧数 | 質問 | ベストアンサー | ベストアンサー以外の回答(ざっくり要約) |
注意点は、ベストアンサーとそれ以外の回答をはっきり区別しておくこと。
体感上6割近くの質問は、ベストアンサーが選ばれていません。
ごちゃまぜにしてしまうと、質問者が何を知りたかったのか、正確な分析ができなくなってしまいます。
スプシでも、「ベストアンサー」と「それ以外」で列を分けて用意しています。
しっかり区別して貼り付けましょう。
貼り付けた上で、ヒントとなりそうな言葉は太字にしておくことをオススメします。
課題設定の3つのコツ
最後に、課題設定について100件以上添削してきたじゃぱそんから、コツを3つお伝えします。
- 妄想ではなく推測する
- そのキーワードで検索した事実を忘れない
- 信頼できるのはGoogle、本質に迫るのは知恵袋
それぞれ詳しく解説します。
1.妄想ではなく推測する
一番大切なのが、妄想ではなく推測することです。
妄想と推測の違いは「なぜそう考えたのかを、人に論理的に説明できるか」。
説明できないなら、それは根拠のない、あなたのただの妄想です。
2.そのキーワードで検索した事実を忘れない
その検索キーワードで調べていることを、重く考えましょう。
具体的には「他のキーワードで検索しないか?」を確認してみてください。
例えば、「仕事 つまらない」について、私は以下のように状況を設定しました。
状況3 | 「辞めたい」とまでは思っていない でも仕事つまらない | 辞めたいなら「辞めたい」等、別のキーワードでググるはず |
ここでやりがちなミスは、
「仕事を辞めたい」
「転職を検討している」
などと決めつけてしまうことです。
仕事を辞めたいのであれば「仕事 辞めたい」「退職」
転職を検討しているのであれば「転職 やり方」「転職 早く」
など、より具体的なキーワードで検索するはず。
現状はあくまでも「仕事がつまらない」だけ。だからこそ「仕事 つまらない」という漠然としたキーワードで検索しているのです。
このように「他のキーワードで検索しないか?」をチェックすれば、検索キーワードに注目せざるを得ず、より検索した人の状況が深く理解できるはずです。
3.信頼できるのはGoogle、本質に迫るのは知恵袋
最後に忘れないでほしいこと。
それは「信頼できるのはGoogleだけど、本質に迫るのはYahoo!知恵袋」ということです。
3つのヒントをデータの属性で分類すると、以下のようになります。
ヒント | データ量 | 提供元がGoogle |
上位記事 | 大量 | ○ |
サジェストキーワード | ||
Yahoo!知恵袋 | いち個人 | × |
Googleで上位を狙う以上、Googleの提供しているデータである上位記事、サジェストキーワードは重要です。
ただし、たくさんの人のデータが元になっているので、分析できるのは一人ひとりの悩みの上澄みのようなもの。
言い方を変えれば、上位記事やサジェストキーワードでは、表面的なことしかわからないのです。
そこで本質に迫るのが、いち個人の悩みを直接見られるYahoo!知恵袋です。
知恵袋は一人ひとりの悩みが具体的にわかる代わりに、他の人も同じような悩みを抱えているかは保証がありません。
信頼できるけど表面的な上位記事・サジェストキーワードと、信頼できないけど個人の悩みの本質に迫れるYahoo!知恵袋。
この2つをバランス良く取り入れることが、課題設定の肝となります。